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2024-01-25# 物件(仙台圏)

塩釜市/市庁舎と市立病院の再整備計画/庁舎は年度内に基本構想着手へ/現在地など各2カ所が候補地

塩釜市は、老朽化が進み再整備を計画している市役所庁舎と市立病院の適地調査結果を公表した。両施設ともに新富町にある県有地の二又スポーツ広場など2カ所ずつを候補地とした。庁舎については本年度から基本構想の策定に着手する。

市は2021年度から「7つの重点課題」の解決に取り組んでおり、このうち「庁舎整備」「市立病院のあり方」に関して、老朽化している両施設の建設に向けた適地を探った。適地調査支援業務は国際航業が担当した。

現在の庁舎は、旭町1の1地内にRC造4階建て、延べ約3800平方㍍で1960年に建設している。県が2022年に公表した津波浸水区域内にあるほか、駐車場不足やバリアフリー未対応、本町地内の壱番館庁舎に機能が分散していることも課題となっている。

一方の市立病院は香津町7の1地内の高台にあり、1973年に竣工した後、増築を経て延べ面積は計約1万0500平方㍍、病床数161床となっている。建物の構造が感染症に対応しきれていないこと、ランニングコストの増加などが指摘されている。

市内の民有地、県・市有地の候補13カ所から検討し、庁舎と市立病院ともに、新富町地内にある県有地の「二又スポーツ広場」の駐車場を候補とした。面積は8000~9000平方㍍ほど。このほかに庁舎は現在地、市立病院は民地(一部市有地、検討段階のため場所は非公表)を候補とする。

このうち庁舎の整備に向けては、現在地が津波浸水想定区域に指定されていることや、財政面で有利となる緊急防災・減災事業債の起債期限(2025年度まで)が迫っていることなどから、本年度内に基本構想に着手する。策定後、24年度にも基本計画を取りまとめ、25年度から設計・工事を進めたい考え。27年度当初からの供用開始を目指す。

基本構想は、市内部の庁舎建設検討委員会で策定する。来年度に策定予定の基本計画は、補正予算で費用を確保して委託する考え。今回挙げた候補地はいずれも津波浸水想定区域となっているため、嵩上げなどを含めた対策も必要となる。

なお市立病院については、財政計画との整合を図りつつ準備を進めていく。再整備に向けた基礎調査は18年度にアイブレインが受託しており、調査結果によると再整備する場合、延べ面積が1万1000平方㍍程度、病床数は140床の規模を想定していた。

 

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