2024-03-06# 物件(仙台圏)
東北計器工業/大和町・社屋の建替計画/安藤ハザマ・橋本店JVの施工/S2F、延べ5300㎡、来年1月完成へ
東北電力グループの東北計器工業(宮城県大和町吉岡石神沢34の1 二坂広美取締役社長)は、大和町の本社敷地内に新社屋・工場の新築を計画し、安藤ハザマ・橋本店JVで今月本格着工する。2025年1月の竣工、同年4月以降に新工場での生産開始を目指す。
施設規模はS造2階建て、延べ5300平方㍍。1階に工場と倉庫、2階には事務所と会議室を置く。既存社屋を解体し現地で建て替えるもので、基本設計は東北開発コンサルタント、設備工事はユアテックが担当。建築工事はECI方式で発注し、実施設計から安藤ハザマ・橋本店JVが携わった。外構工事はこれから施工者を選定する。
同社の主力商品は、電気の使用量を計測する電力メーターで、現在は計測をデジタル化し、検針業務の自動化などに対応した「スマートメーター」を主に製造している。東北の製造拠点はこの工場のみで、徹底した品質管理の下、安定した生産を継続している。
現行のスマートメーターは14年から全国規模で段階的な移行が進められ、東北は23年度内に切り替えが完了する予定。有効期間が最長10年間と計量法で定められているため、現行のメーターの有効期間が順次満了することに合わせて、国が次の交換時期に次世代(第2世代)スマートメーターに入れ替えることを決めた。
25年度に交換するものから第2世代メーターに切り替え、34年度には移行を完了させる計画。新たなメーターは電力需給会社10社の仕様が全国統一となるほか、通信機能が拡充することでビッグデータを収集できるようになる。
この決定に伴い、同社は第2世代スマートメーターの生産を目的として、新社屋の建て替えを計画。新工場は動線にこだわり、出荷までスムーズに作業できるつくりとする。建設に当たっては社内に次世代を担う中堅社員によるオフィス検討委員会を設け、働きやすさを求め社員の意見を吸い上げた。約150人の社員が新社屋で働くという。
同社は大和町が誘致した初の企業として、1968年10月に創業した。以来地域行事への協賛やボランティア活動といった貢献活動、積極的な地元採用を続けている。
同社の担当者は「計量器の技術は進化していくが、引き続き高品質な製品を作り続けたい。これからも地域に信頼される100年企業を目指す」と話す。