HOME

みやぎ建設新聞 ピックアップ記事

2024-09-09# 物件(仙台圏)

仙台市/まちづくり支援の専門家派遣/本年度は現時点で対象6地区/荒井駅北やフォーラス周辺など

仙台市は、まちづくり支援専門家派遣事業の対象として、2024年度は6地区に専門家を派遣している。

市民が主体で取り組むまちづくり活動を支援するため、要望に応じて市に登録しているまちづくりの専門家を市民らによる団体に派遣する。熟度によって、課題の整理や方向性の検討といった時点では「まちづくりアドバイザー」、さらに具体的な計画づくりまで踏み込む段階では「まちづくりコンサルタント」として派遣する。市HPによると8月1日時点で66人(法人含む)が登録している。

24年度は現時点でまちづくりコンサルタント1地区、まちづくりアドバイザー5地区が対象となっている。今後、派遣する地区が増える可能性もある。

まちづくりコンサルタントを派遣しているのは「(仮称)長町商店街エリア勉強会」。太白区長町の地下鉄南北線長町駅~長町1丁目駅にかけて旧国道4号沿いに形成されている商店街は、あすと長町の開発が進み交通量が減少するなどの課題を抱える。歩道を広げて活性化を図るプランなどを検討中。派遣されているまちづくりコンサルタントは都市設計。なお、ビジョンとして「長町・歩いて楽しい街並みの将来像」を策定済みで、本年度はこれを具体化するための基本計画づくりに向けた検討会が発足している。

まちづくりアドバイザーの派遣先を見ると、「荒井駅北地区のまちづくりを考える会」には都市デザインが派遣されている。若林区荒井の地下鉄東西線荒井駅北口で農地が広がる一帯は、住宅系および商業系の土地区画整理事業の実施に向けて市街化区域に編入され、特定保留地区に位置付けられた。区画整理事業をサポートする事業化検討パートナーを選ぶためのルールづくりや、区画整理事業で創出される公園や広場といった公共空間の活用などを考えていく。同地区では22年度からこの制度を活用しており、22年度はオオバ、23年度は本年度と同じ都市デザインが派遣されている。

「11街区まちづくり推進協議会」は、青葉区一番町3丁目11街区のビルオーナーらが中心となり、まちづくりを検討する。派遣されている専門家は都市デザイン。広瀬通および一番町アーケードに接した地区で、今年3月から休業した仙台フォーラスが立地している。街区内には老朽化している建物が多く、以前から一体的な再開発も検討されていた。

泉区で休校している実沢小学校をめぐる「実沢小学校の今後とまちづくりを考える会」にはエーアンドエー計画研究所が派遣されている。すでに実沢地域の児童は根白石小に通学しているが、地域の活力維持へ、今後の施設活用に関する方向性を固める。

青葉区西部の錦ケ丘地区では「錦ケ丘連合自治会」の取り組みに、計量計画研究所が派遣されている。住民や利用者にとって便利となるJR仙山線愛子駅と路線バスの発着時間調整など、交通面から地域活性化を目指す。

青葉区宮町では、仙台東照宮の門前町としての歴史や特性を踏まえ「『お宮町』まちづくり協議会」が活動しており、都市デザインワークスが派遣されている。交流とにぎわい、安全・安心もキーワードにまちづくりを検討している。

 

#記事カテゴリー