2024-11-14# 物件(仙台圏)
仙台市/郡山ポンプ場の再整備/計画策定は日水コン/デザインビルドの採用も検討
仙台市は、太白区の国道4号沿いにある郡山ポンプ場の再整備に向けて計画策定業務を日水コンに委託している。履行期限は2025年3月31日。
太白区郡山籠ノ瀬19の5地内の国道4号仙台バイパス沿い東側に立地している郡山ポンプ場は、国土交通省東北地方整備局による仙台拡幅(籠ノ瀬~鹿の又)事業で既存敷地が必要となるため、セットバックに伴う再整備を行う。
既存施設は合流式に対応し、主に長町・郡山地区が集水区域。汚水は南蒲生浄化センターに送る中継ポンプとして機能し、雨水については名取川に放流している。1969年に供用を開始しており既存の施設能力は、汚水が毎秒約3・1立方㍍、雨水が毎秒約6・6立方㍍。
既存ポンプは全て立軸渦巻斜流で、汚水4台(吸込口径500㍉㍍×吐出量毎分29立方㍍2台、吸込口径700㍉㍍×吐出量毎分62・58立方㍍2台)、雨水4台(全て吸込口径900㍉㍍×吐出量毎分99立方㍍)となっている。
周辺地区は大雨時の浸水被害が深刻化しているため雨水処理能力を増強する。ポンプ能力は再整備により、汚水が毎秒約0・9立方㍍、雨水が毎秒約9・1立方㍍に変更する見込み。
事業実施に当たっては、太白環境事業所を敷地外に移設した後、その跡地に現在は国道から離れた側にある汚水ポンプを移設する。その後、汚水ポンプがあった場所に、現在は国道寄りにある雨水ポンプを移設する。現在は1つの建屋に双方のポンプを納めているが、再整備に際してそれぞれに建屋を設ける方針。
段階的に施設整備を進めるため、仮設計画などに民間事業者のノウハウを取り入れる余地があると判断し、デザインビルド方式の導入を見込んでいる。委託中の計画策定業務でメーカーやゼネコンに対し参画意向も調査している。
本年度内にも事業手法を固めたい考えだが、事業者の公募時期は未定。整備期間は数年を要する見込み。概算事業費は100億円を超える規模を想定している。
市の担当者は「限られた用地で、既存施設を壊しながら新しい施設を建設する非常に難易度が高い工事となる。施設老朽化や周辺地区の浸水被害といった課題を早期に解消するため、積極的に民間ノウハウを取り入れながら施工計画を最適化し、一日も早い供用開始を目指したい」と話す。