2024-11-22# 物件(仙台圏)
塩釜市/役所庁舎建替の規模など示す/概算事業費は100億前後/想定延べ面積は8400~1.1万㎡
塩釜市は、新たな市役所庁舎を現地で建て替えるため基本構想・基本計画の策定に取り組んでおり、21日に行われた議員全員協議会で複数の配置案と施工手順、想定される面積、概算事業費を公表した。延べ面積は約8400~約1万1200平方㍍、概算事業費は92億~115億円と試算した。活用予定の緊急防災・減災事業債(緊防債)の上限額の面積単価が実際の市場価格と大幅に乖離しているため、緊防債を活用しても多額の市単独費を要する見込み。今後は事業継続と見直しの双方を検討していく方針を示した。
現在の庁舎は、旭町1の1地内にRC造4階建て、延べ3804・12平方㍍で1960年に建設した。老朽化しているほか、施設が狭いため産業建設部や教育部が壱番館庁舎に入居するなど執務場所の分散を解消するため建て替える。現在地周辺は津波浸水想定エリアとなっていることから、ピロティ化など浸水対策を講じる。なお旭町の浸水高は最大3・2㍍程度が想定される。基本構想・基本計画の策定業務はパシフィックコンサルタンツが担当中。
今回、示された庁舎規模を見ると、将来の想定職員数479人の場合は、類似事例から試算して延べ1万1237平方㍍とする(ケース1)。人口減少により職員規模の縮小を見越した段階的な新庁舎への集約パターン(ケース2)では、想定職員数358人で延べ8398平方㍍と試算した。
概算事業費は、ケース1で115億円(緊防債45億円+一般財源70億円)、ケース2で92億円(同43億円+同49億円)を見込む。
配置案は▽仮設庁舎無し(2棟建設)▽仮設庁舎無し(1棟建設)▽敷地内に仮設庁舎建設▽敷地外に仮設庁舎建設など―の4パターンを示した。
仮設庁舎を設置しないパターンは、敷地東側に新庁舎①を建てた後に既存庁舎を取り壊し、跡地に新庁舎②と立体駐車場を整備する案と、敷地東側に新庁舎を建設し、既存庁舎の解体跡地に立体駐車場と平面駐車場を整備する案を示した。
敷地内に仮設庁舎を建設する案は、敷地内に2棟の仮設庁舎を建てた後、既存施設を解体。その跡地に新庁舎を建設し、仮設庁舎の跡地に立体駐車場を整備する。仮設庁舎に13億円ほどかかると試算した。
緊防債の事業期間が25年度と迫っているため、方向性を早急に決めたい考え。また緊防債の上限額と市場単価の乖離について、佐藤光樹市長は「期限の延長も含めて見直しを要望している。全国市長会でも半年以上前から要望を続けている」と説明した。
基本構想・基本計画は2025年1月に最終案の素案を公表し、パブリックコメントを募る。3月には最終案を取りまとめる。