2024-11-27# 物件(仙台圏)
宮城県/農地区画整理の調査地区/県内5地区で新規調査進む/前川など6地区が来年度事業化へ
宮城県は、農地の大区画化に向けた農地整備事業調査を現在、19地区で実施している。このうち2024年度から調査に着手したのは5地区。また6地区が本年度で調査を終える予定で、来年4月1日付の採択で事業化が決定する見通し。地方振興事務所別には、仙台管内5地区、大河原管内4地区、東部管内3地区、北部管内5地区、気仙沼管内2地区で調査に取り組んでいる。
仙台管内では、名取市の館腰南地区が基礎調査に着手。業務は仙台土木設計が担当する。調査対象はJR東北本線館腰駅の南西側で、一部は東北本線に沿った36・2㌶。この範囲について現地踏査と土壌調査、道路用排水系統調査などを行う。
来年度に事業化される見込みの大郷町前川地区は受益面積311㌶の規模。町中央部の粕川地区で吉田川に設けた行井堂堰から取水している、吉田川左岸と鶴田川右岸に挟まれたエリアが受益地となる。1区画当たり標準30㌃の農地を1~2㌶に大区画化する計画。基本計画は仙台土木設計が担当した。なお、行井堂堰も直下流に改築する予定で、復建技術コンサルタントが計画をまとめている。今後、実施設計を進め、工事に着手していく考えだ。
また仙台管内では、大和町の吉田金取北地区が農地中間管理機構関連農地整備事業として来年度に事業化される見通し。みやぎ農業振興公社が機構として農地所有者と営農を希望する法人とを仲介し、対象農地の全てを対象に15年以上の営農を条件として契約を取り交わしている。
大河原管内では、成田地区(柴田町)、関場・沼田地区(村田町)、竹谷地区(丸森町)の3地区が25年度に事業化される予定となっている。
北部管内では、大崎市の長堀地区(68・8㌶)と岩渕地区(19㌶)、美里町の青生梅ノ木地区(36・6㌶)、加美町と色麻町にまたがる中嶋・上高城地区(86㌶)が本年度から調査を開始した。
このうち中嶋・上高城地区は、古川測量設計が基本計画作成業務を担当し、調査を進めている。岩渕地区については農地中間管理機構関連農地整備事業として取り組むことも検討している。
気仙沼管内の羽田地区については、これまでに調査を行った結果、地形的な要因などを踏まえて採算が十分に取れる農地整備が見込めなさそうなことから、地元の理解を得て地区全体ではなく、個別に必要な整備を行っていく方針に切り替えることを検討中。