2024-12-19# 物件(仙台圏)
名取市/統合新病院の周辺道路整備/来年度から詳細設計に着手/3路線拡幅、1路線は延伸改良
名取市は、仙台赤十字病院と宮城県立がんセンターの統合病院が立地する予定地の周辺道路整備に取り組む。移転予定地の東側に通る関下植松線、飯野坂杉ヶ袋線、鹿島猫塚線の市道3路線では拡幅を計画し、その南側の市道本郷北線は延伸して岩沼市内の県道まで新ルートを整備する。いずれも2車線で計画している。
関下植松線はイオンモール名取南側の橋梁(舟橋)から南に伸び、県道仙台館腰線に至る路線。これまで延長2360㍍のうち、飯野坂杉ヶ袋線との交差部から南北に分けて予備設計に着手している。現況幅員は約10~13㍍で、北側約560㍍を20㍍に、南側約1800㍍は26㍍に拡幅する。
飯野坂杉ヶ袋線は仙台東部道路・名取スマートICへの出入り口が置かれ、県道塩釜亘理線と国道4号を結んでいる。関下植松線との交差部から延長約750㍍で、現況幅員約9㍍から26㍍に拡幅する。
鹿島猫塚線は関下植松線の東側に並行する路線で、南側は飯野坂杉ヶ袋線と交差する。計画では延長約580㍍で、現況幅員約10~13㍍を23㍍に拡幅する。
2025年度にはこれら3路線を合わせた延長計約3・7㌔㍍の詳細設計に着手する。詳細設計内で、右折レーンの有無や位置などもまとめる。数工区に分割して26年度から数カ年かけて工事を行う。構造物は計画していない。
予備設計は、関下植松線(北側)と飯野坂杉ヶ袋線、鹿島猫塚線の3路線をオオバに、関下植松線(南側)と飯野坂杉ヶ袋線を協和設計がそれぞれ作成した。
この周辺では名取市飯野坂東部土地区画整理事業も進んでおり、物流倉庫が複数新設され、新たな物流拠点として機能する。また、名取中央スマートIC付近には、組合施行の「名取中央スマートIC周辺土地区画整理事業」が計画され、25年度の市街化区域編入に向けて組合設立準備委員会が発足した。24年3月に開かれた県の都市計画審議会で特定保留地区に位置付けられており、事業面積は約45・3㌶で、想定用途地域は第一種住居地域、近隣商業地域、準工業地域とする。事業期間は25年度から30年度までを予定。コンサルタントにはオオバが参画している。計画世帯は約760戸、人口は約1900人を見込む。
関下植松線から県道仙台館腰線を挟んだ南側を通る市道本郷北線は道路延伸を計画している。現道の本郷北線から岩沼市内の県道岩沼海浜緑地線までの延長約3㌔㍍で整備。幅員は10㍍の2車線道路を予定している。
ルートは名取市堀内地内などの既存集落の東側を通り、県道岩沼海浜緑地線へとつながる。志賀沢川と五間堀川を跨ぐことから2つの橋梁を新設する。概略設計は東建工営がまとめた。
26年度から数工区に分けて詳細設計に着手する見込み。本郷北線と市道本郷札前線がつながるまでの延長約900㍍を1期目として、設計をまとめる。
1期目の工事は27年度から数カ年で行い、完成が見込める段階で2期目として南側の詳細設計をまとめる。2期目以降の工区分けは未定。
統合新病院の建設予定地は国道4号沿いの名取市植松入生の敷地4万7781・15平方㍍。規模は400床程度、延べ2万8800平方㍍を想定し、建築費は約210億円を見込む。土地は名取市から無償貸与を受ける予定で、新病院の設置と運営は日本赤十字社が担う。
事業費は約300億円で、このうち建築事業費が210億円、医療機器・情報システム整備費が約51億円、その他が約39億円。
なお、仙台赤十字病院は「仙台赤十字病院・県立がんセンター統合新病院整備CM(コンストラクション・マネジメント)業務委託」を日建設計コンストラクション・マネジメントと契約している。履行期限は30年3月31日まで。開院は30年度中をめどとする。新病院の完成後、現病院は解体する。