2025-01-23# 物件(仙台圏)
東北整備局仙台/仙台市中田・名取川右岸の堤防設計/申請期限は2月3日/延長約2.2km、浸透対策を検討
東北整備局仙台河川国道事務所は22日、仙台市太白区中田地区を流れる名取川右岸の堤防について、浸透対策を検討する「名取川中田地区堤防質的整備設計業務」の一般競争入札を公告した。履行確実性評価型の総合評価落札方式。
参加資格は土木関係建設コンサルタント業務の有資格者である単体かJV。申請期限は2月3日で、開札は3月6日に予定する。
名取川河川改修事業の一環で、基礎地盤の浸透性が高いと指摘されている仙台市太白区の右岸の既存堤防を対象に、パイピング破壊が懸念されることから対策の内容を検討し設計をまとめる。
対象は中田地区が延長約1・8㌔㍍、上流側の上川原地区が延長約0・4㌔㍍で、計約2・2㌔㍍。中田地区は国道4号(名取大橋)を挟んで下流側が延長約1・2㌔㍍、上流側が県道仙台名取線(名取橋)まで延長約0・6㌔㍍。名取橋からJR東北新幹線までの範囲は整備対象外。JR東北新幹線から上流が上川原地区となり、県道仙台館腰線(太白大橋)までのエリア。
水位の高い状態が長時間続いた場合、水の浸透によって破堤する恐れがある。一般的な対策としては矢板工、ブロック張、堤防の厚さを増すなどの手法が考えられる。
当該箇所は東日本大震災の発生前に対策方針をまとめていたが、震災後の地盤の状況などを反映して、修正設計を作成する。履行期限は12月19日。関連する測量は本年度にダイワ技術サービスが実施した。全体の工事期間は複数年度を要する見込み。
また同事務所は、仙台市若林区日辺地区の名取川左岸で取り組んでいる堤防整備事業について、築堤工事3件を一括審査方式で公告した。中田地区の対岸かつ下流側に当たるエリアの工事となる。
件名は、A工事が「名取川日辺土手合(どてあい)地区築堤工事」、B工事が「名取川日辺下流地区同」、C工事が「名取川日辺上流地区同」。総合評価は施工能力評価型Ⅱ型。
参加資格は県内本社かつ仙台地方生活圏内に本社・支店・営業所がある一般土木工事C等級。申請期限は今月27日。開札は2月27日でA工事から順に行う。
日辺地区では既存堤防を強化して浸水被害防止を図っている。堤防の高さは変えず、2~3㍍ほど厚みを増す。事業延長は約4㌔㍍で、2020年度より下流側から着工している。
最下流がB工事(日辺下流)で、施工延長約400㍍、土量は約1万5000立方㍍。熱海工事が施工している築堤工事の上流に続くエリアで、仙台市の今泉焼却場周辺。
中間がC工事(日辺上流)で、施工延長約390㍍、土量は約1万4000立方㍍。
最上流がA工事(日辺土手合)で、施工延長約430㍍、土量は約1万9000立方㍍。土手合排水樋管の少し下流まで。
いずれも築堤・護岸の河川土工、法覆護岸、付帯道路、構造部撤去、仮設工各一式。施工地は若林区日辺地内で、工期は26年1月30日。
3件の工事が完了すれば約3700㍍の施工を終え、残る延長は300㍍程度となる。ただし本事業で堤防の厚みが増すことにより、既存の土手合排水樋管が使用できなくなるため、必要性や対策を検討する。堤防工事も樋管の整備方針がまとまった時点で着手する。
既存の樋管はφ450㍉㍍、延長約18㍍のヒューム管で、放流部にフラップゲートを設けている。1952年に完成した。委託業務は「名取川土手合排水樋管予備設計」として月内にも公告予定。樋管の必要性を判断した上で、改築する場合には継ぎ足しや断面の拡大などを検討する見通し。