2025-01-29# 物件(仙台圏)
東北整備局仙台/山元町・仙台湾南部海岸の整備計画/ヘッドランド工2件を3月開札/今後はHL8基と養浜工など実施へ
東北整備局仙台河川国道事務所は、山元町の仙台湾南部海岸に順次構築を進めているヘッドランド(人工岬)について、「1号ヘッドランド整備工事」「HLブロック製作工事」の2件をこのほど公告した。総合評価は施工能力評価型Ⅱ型。全体で12基を計画しているヘッドランドは3基が完成しており、本年度末に新たに1基が完成。今後は残る8基の構築に取り組む。河道掘削土を利用した養浜工も実施していく。
公告した「1号ヘッドランド整備工事」は、県内本社の一般土木C等級向け。突堤基礎工・突堤本体工・構造物撤去工・仮設工の歩掛かりに関わる見積書の提出を求める見積活用方式。見積書と申請書は2月3日まで、資料と入札書は同18日まで受け付け、3月7日14時30分に開札する。
一方の「製作工事」は、県内本社かつ仙台地方生活圏に本社・支店・営業所のいずれかがある一般土木C等級が対象。申請は今月31日まで。資料と入札書は2月14日まで受け付け、3月7日13時30分に開札する。
直轄海岸保全施設整備事業を展開している仙台湾南部海岸では現在、捨石と被覆・消波ブロックによるヘッドランドの建設と、養浜工に取り組んでいる。緊急整備区間に位置付けている山元町の中浜工区南部ではS1ヘッドランドが本年度末に完成するほか、S5ヘッドランドが施工中。また1号ヘッドランドの整備に本年度から着手した。発注済みの工事は主に橋本店と野村建設が施工している。
1号ヘッドランドは、海岸から沖に向かって突き出る縦堤部が延長約200㍍、その先端で海岸と並行するように広がったヘッド部の長さは約150㍍。「整備工事」では1号ヘッドランドの縦堤部について、橋本店が施工している工区に続き沖側へ延長約20㍍にわたって構築する。
工事内容は突堤基礎工、突堤本体工、消波工、構造物撤去工、仮設工各一式。施工地は山元町坂元地内。工期は2026年1月30日。
「製作工事」は、今後の1号ヘッドランド構築に使用する被覆ブロック512個を製作する。現場付近の町有地をヤードとして借り、型枠を組んで現地製作を行う。施工は山元町坂元地内。工期は今年10月22日。
海岸の侵食防止、背後地の浸水防止、砂浜の維持再生、津波に対する減災を目的とする仙台湾南部海岸の事業概要は、阿武隈川河口から北側の蒲崎工区(岩沼市)が延長4・7㌔㍍。山元町側は北側が笠野工区、続く南側が中浜工区(北部と南部に分かれる)で延長は計9・2㌔㍍。全体では13・9㌔㍍に及ぶ。事業期間は56年度まで。全体事業費は535億円を試算し、20年度末時点の進捗率は約39㌫。養浜工は全体で375万立方㍍の規模とする。
蒲崎工区では延長1㌔㍍の海岸堤防が完成しているほか、粘り強い構造の樹林帯を延長4㌔㍍にわたって整備する。ヘッドランドは最も北側にK3の1基のみ計画中。
笠野・中浜工区は、樹林帯を延長8㌔㍍にわたって整備。ヘッドランドは11基を計画しており、緊急整備区間(中浜工区のうち南部)のS2とS4、笠野工区の最も北側に設ける11号が完成済み。来年度以降はS3、S5、1号、3号、5号、7号、9号の工事を推進していく。