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2025-02-05# 物件(仙台圏)

県仙台振興/仙台圏の農地整備事業/野尻と下余田2期が本年度事業化/仙台市の大針地区で近く工事発注へ

宮城県仙台地方振興事務所は、農地の生産効率を高める「攻めの農業」を推進するため農地の区画整理、農業用排水施設の整備といった農地整備事業に取り組んでいる。東日本大震災以降、優先整備した海岸部の復旧・復興がほぼ完了したことから、現在は内陸部の農地整備を計画的に実施している。1月に公表した発注見通しでは、大針地区の区画整理工事、下余田地区の測量設計業務を新たに追加した。

仙台市の野尻地区では2024年度から28年度まで区画整理事業に取り組んでいる。太白区秋保町地内で、受益面積と区画整理面積は12・5㌶。総事業費は3億9800万円。秋保総合支所の上流側で、秋保町馬場野尻町北および野尻町南地内の県道仙台山寺線沿いに広がる農地は、地形上の制約を受けて1枚当たりの面積が小さく、不ぞろいな現況。コメのほか、ソバの栽培も盛んな地域で、ネギやニンニクなど高収益作物の営農が検討されていることも踏まえ、極力の大区画化を図る。7月に「野尻地区区画整理測量設計業務」の入札が行われ、古川測量設計事務所が落札している。

同じく本年度から32年度までの事業期間で、名取市の下余田2期地区でも事業が進む。名取市街地東側で、国道4号と仙台東部道路の間に位置するほ場エリア。現状はおおむね20㌃~30㌃の農地で、かんがい排水は整備済みだが、用水路や農道は未整備。面積は57・9㌶で、総事業費は21億5700万円規模。基本計画は21年度に仙台土木設計が担当した。関連業務として「下余田1工区ほか区画整理測量設計業務」を3日付で公告した。

仙台市の大倉・大針地区は23年度に事業化。青葉区宮城総合支所より西側でJR仙山線・陸前白沢駅の手前にかけて、国道48号とJR線路の南側に広がるこの地区は、もともと不整形な農地をできるだけ大区画化し、作業効率向上を図る。面積は29・6㌶、総事業費は9億2100万円。2月には「大針3・5工区ほか区画整理工事」を2億円規模で発注予定。基本計画はサトー技建が19年に担当。これまでに大針1・2工区、大倉5工区の区画整理工事を東花建設(大崎市)が担当している。事業期間は26年度までを見込む。

このほか、大和町立吉田小学校の西側に位置する中山間地域で、七ツ森の麓に位置する吉田金取北地区は、23年度に復建技術コンサルタントが基本計画を担当。受益面積が54㌶、総事業費は13億5000万円。同じく大和町内で、嘉太神ダムに近い吉田沢渡地区は基本計画を仙台土木設計がまとめている。受益面積は46㌶、総事業費は11億5000万円を見込んでいる。

亘理町の阿武隈川右岸からJR常磐線西側に位置する小山・田沢地区は大江設計が基本計画を担当。受益面積72㌶で、総事業費は12億円。名取市内のJR東北本線・館腰駅の南西側で、一部は東北本線に沿った約37㌶の館腰南地区は仙台土木設計に基礎調査を発注。受益面積は40・8㌶で、総事業費は9億2000万円。

県営整備予定地区内としている大郷町内の前川地区は、基本計画を仙台土木設計が担当。受益面積は289・9㌶に及び、総事業費は83億0900万円を見込むが、このエリアには大郷町が練っている「おおさとスマートスポーツパーク構想」予定地が含まれている。

 

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