2024-05-07# 物件(大崎・栗原)
加美町/新庁舎基本設計のプロポ/6月までに手続き開始へ/事業費は約32億円、28年度の開庁見込む
加美町は新庁舎建設に向けた基本設計業務について、6月ごろまでに公募型プロポーザル方式による手続きを開始する。
本年度は基本設計のほか、町民ワークショップなどを開催。2025年度に実施設計を行い、26年度に建設工事に着手する。27年度中に完成させ、28年度からの供用開始を目指している。
既存庁舎は1966年に旧中新田町役場として西田3の5地内に丸か建設の施工で建設された。構造はRC造3階建て、延べ約1780平方㍍。建設から58年が経過しており、2014年度には小野田建設の施工で耐震補強工事を実施済みだが、全体的に老朽化が進んでいる。
庁舎内は手狭で、待合所や相談スペースの確保、行政資料の保管スペースが不足している状況となっている。エレベーターも設置されていないため、利用者にとって不便な状況が続いている。
また、手続き先の分散配置も課題となっている。現在は議会と農業委員会が小野田支所、教育委員会が宮崎支所に入居しているほか、保健福祉課と上下水道課が本庁舎と別の建物に所在する。新庁舎整備に当たっては、これらの機能を集約して建て替え、手続きの集約化と効率化を図ることで、行政サービスの質の向上を目指す。
新庁舎の建設候補地は、矢越地区の国道347号と国道457号の交差点の北東部。周辺にはセブンイレブン中新田矢越店やクスリのアオキ加美店などが立地している。敷地面積は約1万5000平方㍍。
新庁舎の概要はRC造で階数は3階程度、延床面積は約4800平方㍍を想定している。概算事業費は32億円で庁舎本体工事は約24億円を試算している。
庁舎の建て替えの議論は、15年以上前からスタート。地域審議会の意見や建設検討委員会の答申などを踏まえ、10年には庁舎の位置を矢越地区に変更する条例が議員の3分の2以上の賛成を必要とする特別多数議決で成立した。
基本設計は山下設計がまとめ、用地買収などが完了している。
町長が交替した11年以降、再び庁舎の位置を現在地周辺の西田地区とする構想が浮上。位置条例の再変更案が12年に2度議会に提出されたがいずれも否決されている。
既存庁舎の跡地活用については、中新田小学校や定住促進住宅の建設用地とする案や、催事の対応を考慮し当面は駐車場にも使える空き地として管理するといった案が提示された。
小野田・宮崎の両支所は、機能は維持しつつ利便性向上を図る方針だ。