HOME

みやぎ建設新聞 ピックアップ記事

2024-09-19# 物件(大崎・栗原)

県北部土木栗原/栗原市・迫川改修の築館工区/来年度以降は上流部設計に着手/事業費増・事業期間延長を予定

宮城県北部土木事務所栗原地域事務所は、栗原市を流れる迫川の改修事業について、築館工区の整備に着手した。現在は地域との調整や設計、下流側の工事などを進めている。

栗駒山麓を水源とする迫川(一迫川)は、二迫川や三迫川と合流して栗原市・登米市を貫流し、登米市豊里地区で旧北上川に流れ込む。これまで下流の登米市側や、栗原市の若柳工区で改修事業を実施してきた。2022年度に完了した若柳工区に続き、今後は上流側の築館工区を整備する。

河川整備計画によると築館工区は、東北自動車道・若柳金成IC付近の三迫川合流部を下流として、旧一迫町中心部の長崎川合流部を上流とする延長14・4㌔㍍の範囲。このうち旧築館・旧志波姫の町境となっていた二迫川合流部から上流(南西側)へ、旧一迫・旧築館の町境付近で昔(いにしえ)川が流れ込む地点まで延長6・68㌔㍍の区間を先行整備する。

現在は先行整備区間の中でも、下流部の延長3・68㌔㍍区間を2工区に分けて工事中。栗原中央橋から下流側の堤防と樋管の設計などは復建技術コンサルタントや地圏総合コンサルタントが担当した。

築堤工事は、樋管工の調整が必要無い区間は発注済み。初弾工事を野口建設、その2工事とその3工事を大林土建が担当している。関連する「迫川大仏(2)樋管改築工事」は8月22日に開札し、近く落札決定する。来年度以降は、上流部の築堤や樋管の設計などを進めていく。

事業期間は当初、26年度までを見込んでいたが、継ぎ足しを予定していた樋管の老朽化が著しいことが判明し、更新の必要が生じたため、延長する見通し。これに伴い、20億円と試算していた事業費も増額する見込み。

築館工区のうち、特に宮野地区区画整理事業地内の対岸(右岸)側は平坦地で水田が広がり、昭和20年代の台風被害を踏まえ、農地を守るため右岸堤防が左岸より高く整備されている。

しかし近年、雨の降り方が激甚化していることや、左岸堤防の背後地に栗原中央病院や築館高校といった重要施設が集まっていることから、浸水被害軽減を図るため左岸堤防の嵩上げによる機能強化に取り組むとしている。

具体的には、左岸堤防を右岸堤防に合わせて現況から1㍍~3㍍程度嵩上げするほか、掘削による低水路拡幅、内水排除のため樋管整備などを行っていく予定だ。

 

#記事カテゴリー