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2025-04-09# 物件(大崎・栗原)

県北部振興/大崎市古川 後藤江水路TNの補修/本年度から調査に着手へ/対象延長は約200m、複数年の工期を見込む

宮城県北部地方振興事務所は、大崎市古川にある農業用水トンネル・後藤江潜穴の補修に向けて、本年度から調査に着手する。発注見通しによると「後藤江地区基本計画作成業務」「同地質調査業務」の2件を一般競争入札でともに6月ごろ発注する。県営事業による整備から数十年が経過し、地元から対策を求められているため対策に乗り出す。

後藤江潜穴は旧古川市西部の清水地区で江合川左岸の三丁目堰から取水し、後藤江用水路の最上流に位置する水路トンネル。400年ほど前の慶長年間に開削されたとも伝わるが、既存施設は昭和43年ごろから平成7年まで実施した県営かんがい排水事業・田尻川地区で造成した。水路トンネルの幅は約1・8㍍、高さは約1・7㍍。

日常の管理は江合川沿岸土地改良区が担当しているが、欠損や剥離といった不具合が目立ってきたことから緊急補修を数年前に実施済み。このほど抜本的な対策に取り組むため、本年度から調査を始める。補修する区間の延長は約200㍍を見込んでいる。

本年度に予定する委託業務は、「基本計画作成業務」が履行期間約9カ月で概算規模は2000万円。「地質調査業務」が履行期間約6カ月で概算規模は700万円。基本計画では現地を調査して補修案や箇所などを検討する。地質調査は両坑口付近と中間部などの3孔を対象に予定しており、地山の崩落リスクなどを調べる。

スケジュールは未確定だが、来年度にも事業計画書の作成を委託して調査成果を取りまとめ、国による早期採択を目指す。その後、実施設計を経て着工する。工事期間は複数年を見込む。施工に際しては営農に配慮する必要があるため、仮設計画や工程に関する検討も詰めていく考え。

 

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