2023-11-21# 物件(石巻・気仙沼)
宮城県/石巻鮎川線の風越3期事業/初弾の函渠工を発注へ/トンネル本体は来年度以降に
宮城県は、牡鹿半島の付け根近くに計画する県道石巻鮎川線の風越3期工区の改良事業について、本年度から工事着手する。発注見通しによると初弾工事として、12月に函渠工をメーンとする「風越(桃浦地区)道路改良工事」を予定。トンネル本体工事は来年度以降に工事発注する。
既存の風越トンネルを含む風越1期工区(延長約1600㍍、全幅15㍍)が1998年度末に供用した後、石巻側の祝田工区(延長約1100㍍、全幅11・5㍍)が2003年度に供用。風越1期と祝田工区の間に位置する風越2期工区(延長約1200㍍、全幅11・5㍍)は22年度末に供用している。
風越3期は、風越1期で整備した風越トンネルから牡鹿半島側に続く道路改良で、現道はカーブが多く急勾配な形状のため、山間部をショートカットするイメージで延長約2700㍍の道路を新設する。風越トンネル側が起点で、桃浦漁港付近を終点とする。
このうちトンネルは、起点付近から延長約1600㍍、内空段面積約54平方㍍で計画。車道幅員は6・5㍍で歩道は設けない。縦断勾配は2・5㌫。機械掘削により終点側から順掘りで施工を予定している。掘削を開始する終点側坑口は、石巻鮎川線の現道より海側で標高が低い地点から掘り始める。トンネル工事の期間は3カ年ほど要する見通し。
終点側の約1㌔㍍は桃浦漁港の背後を通る明かり区間となる。現道は線形が不良なため、現道より海側にルートを取った上で、大雨時などにも冠水しない高さまで盛土して道路を築造する。漁港に流れ込む千鳥川と津持川および津持川に並行する市道との交差部の計3カ所に、ボックスカルバートを構築する。現道との接続部は桃浦漁港の南側となる。
道路とトンネルの詳細設計は建設技術コンサルタント・佐野コンサルタンツJVが作成中。弾性波探査を含む地質調査は地圏総合コンサルタントで終えた。用地測量は西條設計コンサルタントが行っており、本年度から用地取得にも着手する。
12月に発注予定の工事は、ボックスカルバート3基などを施工する内容。工期は約14カ月で24年度末までとする予定。発注見通しによると概算工事費は4億円規模。トンネル工事や明かり区間の盛土工事などは、来年度以降に発注していく。