2023-10-06# その他
農政局北上土地改良/旧迫川二期地区の事業計画/地区調査に本年度着手/排水機場の能力増強など想定
東北農政局北上土地改良調査管理事務所は、宮城県北東部で旧迫川二期地区の事業化に向け、本年度から国営土地改良事業地区調査に着手した。老朽化した機場の改修や排水能力の増強を図る。地区調査後、全体実施設計に移る。
旧迫川地区は、北上川支川・迫川の右岸に広がる低平地で、登米市西部(旧迫町・旧南方町・旧米山町)、大崎市(田尻地区)、涌谷町にまたがる受益面積約5000㌶。水利施設は迫川沿岸土地改良区が操作・管理している。
既存施設は、地区上流部の佐沼市街地北部で迫川支川・荒川沿いに西館機場(用水1・3立方㍍/秒、排水1・9立方㍍/秒)、地区中央部の迫川沿いに山吉田機場(用水8・2立方㍍/秒、排水7・8立方㍍/秒)、地区中央西側に高石機場(用水0・5立方㍍/秒、排水11・7立方㍍/秒)がある。地区下流部には、蕪栗沼から流れる小山田川と旧迫川の合流部に南方機場(用水2・0立方㍍/秒、排水15・2立方㍍/秒)、旧迫川沿い下流部に米山機場(用水5・9立方㍍/秒、排水18・9立方㍍/秒)、米山機場のすぐ下流対岸に箟岳機場(用水3・1立方㍍/秒、排水4・4立方㍍/秒)がある。
幹線用水路は6本(西館3・0㌔㍍、山吉田4・1㌔㍍、穴山3・1㌔㍍、南方1・6㌔㍍、米山6・3㌔㍍、箟岳2・9㌔㍍)、幹線排水路は5本(高石放水路2・9㌔㍍、高石1・9㌔㍍、古川1・6㌔㍍、米山3・5㌔㍍、米山中央2・3㌔㍍)を設けている。
このうち箟岳機場と箟岳幹線用水路は、劣化が著しく営農に支障を来しているため、先行して2021年度から国営施設応急対策事業で補修に着手した。他の施設も、いずれも昭和40年代に整備して50年ほど経ち、機場・水路とも維持管理費が嵩んできた上、雨の降り方が短時間で大量に降るケースが増えていることを考慮し、水利施設を再編して排水能力強化に取り組む。事業メニューは国営かんがい排水事業を想定する。
西館機場は改修し、用水専用化を図る。山吉田機場は改修する。高石機場は建て替える。南方機場は建て替え、揚水能力は同規模を維持し、排水能力は22・2立方㍍/秒に増強する。米山機場は建て替える。米山機場については排水再編を行うことにより、上流部の旧迫川沿いに西排水機場を新設する。西排水機場の排水能力は7・9立方㍍/秒を見込む。また、水路の整備や、付帯県営事業として地区上流部で新舟橋機場の整備も計画している。
主な関連業務の発注状況を見ると、昨年度までの地域整備方向検討調査で20・21年度の事業構想検討と、22年度の整備構想検討はNTCコンサルタンツが担当した。23年度は4機場(高石、南方、西、米山)の地質調査を内外エンジニアリングが担当。また、南方機場と西排水機場の基本設計は三祐コンサルタンツに委託したところ。