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2024-10-03# その他

東北整備局/上下水道のレジリエンス調査公告/災害などに備え課題を把握へ/宮城県内から着手 申請期限は16日

東北地方整備局は、災害時の上下水道施設リスクを把握するため、2日付で「東北管内における上下水道のレジリエンス向上に資する調査検討業務」の一般競争入札を公告した。本年度は宮城県内の施設整備状況を図面化してリスク把握に当たる。

能登半島の災害では上下水道一体で復旧に取り組む難しさがあったことや、東北地方でも7月の豪雨で同じ場所の上下水道が被災するなどの状況に直面した。このため「災害時に備えて地域のレジリエンスという視点から、まずは課題を把握する」(東北地方整備局の外山久典上下水道調整官)ことを目的としている。

入札の申請期限は今月16日。入札書は11月15日まで受け付け、同18日11時に開札する。履行確実性評価型の総合評価落札方式。

参加資格は整備局管内に本店または支店・営業所を置く、土木関係建設コンサルタント業務の有資格者である単体かJV。過去10年に元請けで完了した、国や地方公共団体、公益民間企業などの発注による、水道または下水道について地震対策の検討か、計画に関する検討、あるいは研究の実績を求める。

災害発生時に復旧の優先順位を付けるため、上下水道とも基幹施設などの分布や整備状況を確認して図面化する。その上で公共施設や避難所となる重要施設との位置関係や地形等を勘案してリスクを洗い出すなど、実体把握に努める。

業務内容は▽宮城県内の上下水道事業実施状況などの資料収集と電子図面化▽収集結果に基づく上下水道の災害時リスクの抽出・分析・整理―の各一式。履行期限は2025年3月21日。

今後は宮城以外の地域の状況把握や、耐震化の実施状況なども確認していきたい考え。

昨年度まで厚生労働省が所管していた上水道行政は、本年度から国土交通省に移管された。東北地方整備局は4月から河川部に担当ポストを設け、事業計画の認可や予算要求の取りまとめなど自治体の窓口となる業務を行っている。

国土交通省ではこのほど、能登半島地震の被害を受けて3月に設置した上下水道地震対策検討委員会が、今後の地震対策や上下水道一体での災害対応の検討に関し、最終とりまとめを公表した。

能登半島地震では、耐震化が未実施だった基幹施設で被害が大きく、広範囲の断水や下水管内の滞水が発生し復旧が長期化した。

この状況を踏まえ今後、上下水道システムの〝急所〟となる施設の耐震化と、避難所など重要施設に関わる管路の上下水道一体での耐震化を推進する。また、地滑りなど変状の恐れがある箇所を避けた施設配置や、可搬式の浄水・汚水処理設備の活用による代替性・多重性の確保に努める。その上で、事業効率性の向上ともバランスが取れたシステム構築を目指すとした。

さらに、復興に臨んでは住民意向を踏まえつつ、分散型システムの活用など持続可能な整備を志向する。このほか、機能確保を優先した早期復旧が可能な手法の構築と、国が上下水道一体で全体を調整しプッシュ型支援を行う体制構築も図る。

 

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