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2024-12-25# その他

県内学校施設のコンサル委託状況/県が聴覚支援改築と農業大学校再整備へ構想策定/仙台市は12校で改築・改修設計を発注

宮城県内で今年、設計など委託業務が発注された学校施設整備事業をまとめた。宮城県は聴覚支援学校の改築設計を委託したほか、農業大学校を改築するため基本構想の策定に着手している。仙台市は12の小中学校で改築または改修の設計を発注した。

宮城県が改築を計画している聴覚支援学校は、公募型プロポーザルで設計を山下設計に委託した。同校は仙台市太白区八本松2の7の29地内に位置し、幼稚部、小学部、中学部、高等部、専攻科に分かれている。新築する校舎は延べ約5800平方㍍で計画中。加えて工業技術科実習棟(約380平方㍍)、寄宿舎(約1640平方㍍)、屋内運動場(約880平方㍍)のほか、付帯施設として駐車場170台分を設ける。設計期限は2026年3月までとしており、26年度早々に工事発注を行う見通し。

また県は、農業大学校および農業・園芸総合研究所の改築事業に取り組むため、基本構想と調査検討を復建技術コンサルタントに委託した。同校と研究所は名取市高舘川上東金剛寺地内に所在する。新たな施設整備に向けて施設配置、利用状況、整備方針などを踏まえ、計画的かつ効率的な改築事業の実現へ、造成計画を含め施設改築基本構想(案)をまとめる。履行期限は25年2月までとしており、構想を基に具体化を図る。

仙台市は改築事業として、鶴谷小、鹿野小、蒲町中の基本設計を簡易プロポーザルで選定した。このうち鶴谷小の新校舎は延べ7300平方㍍規模で、コミュニティ・センターと児童館を併設する計画。このほか秋保小、富沢小、長町小では実施設計の作成を進めている。さらに小中学校6校で改修設計を委託した。公共施設総合マネジメントプランに基づいて、老朽化した学校施設の予防改修・長寿命化改修に取り組む。

登米市は小学校再編計画に基づき、南方小学校、西郷小学校と東郷小学校の3校を統合して新設する「南方地域統合小学校」の建設へ、桂設計に基本設計を委託した。建設地は南方町新高石浦地内の敷地約1万9100平方㍍。校舎規模が延べ約4200平方㍍で、屋内運動場は延べ約900平方㍍を想定する。25年度に実施設計を作成し、26~27年度で工事を行う計画。

大郷町は、大郷小の長寿命化を図る計画策定業務を宮城県建築住宅センターに委託している。築後40年余り経過したため、老朽化の状況調査と改修方針の策定など計画をまとめる。既存施設はRC一部W造3階建て、延べ3728平方㍍。

山元町は小学校再編に向けた基本構想と基本計画の策定業務を日本工営都市空間に委託した。11月に再編小学校在り方検討委員会が報告した内容によると、9年間一貫した教育課程で指導する「小中一貫教育学校」が望ましいとされた。施設形態は一体型か併設型を想定している。町内にある4校を1校に再編する計画で、委託した業務で建設予定地の現状と課題の調査、学校施設の規模、必要な機能について検討する。26年度から基本・実施設計に着手する予定。

七ヶ宿町は七ヶ宿中学校の改築を巡って、七ヶ宿小学校と統合した義務教育学校として整備する方向性を示している。瀬見原1地内にある同校はS造2階建て、延べ1843平方㍍。屋内運動場がS造平屋建て、延べ633平方㍍。築後40年以上経過して老朽化が著しく、2020年度に策定した七ヶ宿町学校施設等長寿命化計画(担当=オオバ)で改築を決めた。現在は基本構想を松下設計に委託しており、本年度内の策定完了を目指す。25年度は基本計画と基本設計を一括で委託する考え。

 

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