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2024-12-26# その他

県北部振興/大崎地区の主な農地整備事業/加美町の鳴瀬川沿いで今後工事本格化/4地区で27年度採択目指す

世界農業遺産・大崎耕土を抱える宮城県北部地方振興事務所が取り組む農地整備事業をまとめた。出来川左岸上流地区と同下流地区で工事が進捗しているほか、鳴瀬川沿いの月崎・清水地区と小野田東部地区ではこれから本格的に面整備を発注する。本年度に事業化した下真山地区は2027年度から着工予定。中嶋・上高城など4地区は本年度から26年度まで調査を行い、27年度採択を目指す。

JR東北本線東側かつJR石巻線の沿線で、美里町と涌谷町の境界に跨る出来川左岸上流地区は受益面積が364㌶に及ぶ。事業費は94億4400万円を見込み2023年度末で予算ベースの進捗率は46・8㌫。下流で涌谷町内の出来川左岸下流地区は受益面積91㌶。事業費は24億2800万円を見込み、23年度末の予算ベース進捗率は31・7㌫。

両地区とも1区画当たり30㌃程度の農地を、おおむね1区画当たり1㌶とし、一部は1㌶を超える広さに大区画化する。上流地区では水中ポンプと地下吸水槽を備える揚水機場を10カ所新設する。下流地区では用水を全てパイプラインとする計画。

加美町と色麻町に跨る鳴瀬川右岸の月崎・清水地区は受益面積100㌶。事業期間は22~29年度で、本年度から清水工区で区画整理工事に着手した(担当=小野田建設)。

鳴瀬川右岸に流れ込む支川の長谷川を挟み西側が加美町(旧小野田町)の月崎工区で、実施設計を仙台土木設計が担当。東側が色麻町の清水工区となり、実施設計は古川測量設計事務所がまとめた。両地区ともおおむね平坦地で、1区画当たり1~2㌶に拡張する。

鳴瀬川を挟んで月崎・清水地区の対岸(左岸)に位置する加美町の小野田東部地区は受益面積が78㌶。事業期間は22~28年度で、本年度に南西端から整地工などに着工した(担当=柏原建設)。設計は古川測量設計事務所と仙台土木設計が担当。少し傾斜の付いた土地で、本事業によっておおむね1区画当たり50㌃~1㌶に再整備する。

栗原市境に近い大崎市岩出山の下真山地区は受益面積69㌶。本年度から32年度までが事業期間で、総事業費は24億9000万円。昨年度までに基本設計を古川測量設計事務所がまとめた。本年度は小坪工区で境界測量を行う。1区画当たり50㌃~1㌶に広がる計画だが、高低差がある地形のため表土扱いの実施を見込む。26年度までに詳細設計を作成し、27年度から工事着手する予定。

本年度から調査計画事業に位置付けた大崎管内4地区は、いずれも26年度までの3カ年で基本計画をまとめ、27年度に事業採択を目指す。生産効率を高めるスマート農業の基盤整備へ、一部地区は1区画当たり2㌶規模に大区画化する。

大崎市三本木の長堀地区は、多田川右岸で東北自動車道と国道4号に挟まれたエリア。受益面積は69㌶。本年度は基本設計を仙台土木設計が担当。周辺の上流域は大区画化がほぼ完了している。現状は1区画当たり10㌃程度だが、平坦な地形を活かして1区画当たり2㌶ほどに拡張したい意向だ。鳴瀬川沿岸土地改良区が所管するエリアとなる。

大崎市鹿島台の岩渕地区は、県道小牛田松島線と新堀川に沿った山あいで、受益面積は19㌶。現状は不整形かつ高低差が大きい土地で、農地整備事業により1区画当たり30㌃程度に広げる。表土扱いの採用も想定する。基本設計は佐藤土木測量設計事務所がまとめている。鶴田川沿岸土地改良区の所管エリア。

加美町と色麻町に跨る中嶋・上高城地区は、広域農道を挟んで月崎・清水地区の東側に隣接し、鳴瀬川右岸かつ保野川左岸に位置する。受益面積は86㌶。現状は1区画当たり10㌃程度の農地が広がるが、可能な限り2㌶規模に大区画化する方針。基本設計は古川測量設計事務所、環境調査をエイト日本技術開発が担当している。管理は色麻土地改良区。

美里町の青生梅ノ木地区は、旧小牛田町中心部の南側外周部にある3工区の農地で、受益面積は計37㌶。出来川右岸沿いの2工区と、県道高清水鹿島台線を挟み東側の工区となる。現状は1区画当たり10~20㌃の農地を1㌶に拡張する計画。基本設計は仙台土木設計がまとめている。美里東部土地改良区が管理しているエリア。

 

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